「骨董」とは、希少価値のある古道具や古美術品のことです。
このように書くと、「骨董を買うには専門の知識が必要なのでは?」「興味はあるけど私なんかが買ってもいいの?」と躊躇される方もいらっしゃるのですが、TANTRAで扱っている骨董は「生活骨董」と呼ばれる古くから人々の生活の中で使われてきた物ばかり。決して敷居の高いものではないんですよ。
最近では全国の骨董市に器好きの若い方が訪れることも多くなりました。「生活骨董」を日常にとても上手に取り入れてる方もたくさんいらっしゃいます。
ただ、現代の器とは勝手が違うことも多く、お問い合わせをいただくことも。
ここでは、骨董について知っておいていただきたいことをご紹介したいと思います。
「ふりもん」 「くっつき」
「ふりもん(ふりもの)」
陶器を焼く時に、ほこりなど不純物が入ってしまってできた黒や茶色の点です。この様なものが入っていても無傷として扱われます。
「くっつき(ひっつき)」
陶器を焼く時に、器同士を重ねて焼く際にくっついた痕です。こちらも無傷として扱われます。当店ではみにくいもの(↑これはみにくいですよね)は取り除いていますが「多少のふりもんやくっつきはご了承ください」です。
「ニュー」
「ニュー(ニュウ)」
これはヒビのことです。なんでヒビって言わないのか?なぜかニュー(もしくはニュウ)なんです。
釉薬だけに入っているヒビではなく、胎土(粘土)にまで入っている状態のことを言います。陶磁器ではよくあるキズのひとつです。
「カケ」 「ソゲ」
「カケ(ホツ・ホツレ)」
口縁や高台のちいさく欠けている状態のことを言います。
「ソゲ」
口縁などが薄く欠けている状態のことを言います。
骨董品についての独特な用語はまだまだあるのですが、原則として、制作時に出来た傷のようにみえるものは全て「無傷」として扱われ、出来上がってからの傷は「キズ」として評価されてます。
ただ、初期伊万里など希少価値のあるものはキズがあってもそれなりの評価がつけられます。(もちろん無傷にはかないませんが。)
また「ふりもん」や「くっつき」は時代ある品物の証拠です。古伊万里の偽物は「ふりもん」や「くっつき」までつけて、作られているようですよ。要注意です。
※手描きによる描写の違い
1枚1枚手描きで絵付けがされてる染付皿は、同じデザインであっても描き手によって描写が異なります。上の写真は同じ柄のシリーズなのですが、人の描写に違いがあったり、濃淡が違うのが分かりますでしょうか?
こちらは同じシリーズのサイズ違いの器なのですが、描写にずいぶんと違いがあります。転写プリントではない、手描きならではの味わい深い要素としてご理解ください。
※金継ぎ・銀継ぎについて
日本では室町時代あたりから、キズモノや割れてしまった器には「金継ぎ・銀継ぎ」などの伝統技術を使った修理を施し、この修理をした箇所を「景色」として楽しんできました。
本来だとマイナスの要素にしかならない箇所を、趣のある姿として鑑賞して楽しむという、日本独特の文化ですね。
※電子レンジ・食洗器の使用について
骨董品に限らず、「金彩・銀彩」を施したものや、色絵の具で装飾を施した「色絵」、「漆器」などは電子レンジは使えません。熱により変質・変形・焦げなどが生じるためです。
それ以外の陶磁器でも、状態によっては電子レンジによる急激な温度上昇に耐えられず、破損の恐れがあります。
食洗器についても同じく、高温のお湯や乾燥により負担をかけることになります。
時代を経てきた品々ですので、長くご愛用いただくためにもお控えいただくことをおすすめしております。